厚生労働省｜令和４年度「過労死等の労災補償状況」を公表します

照会先

労働基準局 補償課 職業病認定対策室
室長：水島　康雄
室長補佐：本間　健司

(代表電話) 03 (5253) 1111
(内線5573、5570)

(直通電話) 03 (3502) 6750

報道関係者 各位

令和４年度「過労死等の労災補償状況」を公表します

　厚生労働省は、令和４年度の「過労死等^※１の労災補償状況」を取りまとめましたので、本日公表します。

　厚生労働省では、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害の状況について、労災請求件数や、「業務上疾病」と認定し労災保険給付を決定した支給決定件数^※２などを、平成14年以降年１回、取りまとめています。

• ※１「過労死等」とは、過労死等防止対策推進法第２条において、「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。」と定義されています。
• ※２支給決定件数は、令和４年度中に「業務上」と認定した件数で、令和４年度以前に請求があったものを含みます。

ポイント

• 過労死等に関する請求件数
  3,486件（前年度比387件の増加）
• 支給決定件数
  904件（前年度比103件の増加）
  うち死亡・自殺（未遂を含む）件数　121件（前年度比15件の減少）１　脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況
  1. （１）請求件数は803件で、前年度比50件の増加。
  2. 　 うち死亡件数は前年度比45件増の218件。P３　表１－１
  3. （２）支給決定件数は194件で前年度比22件の増加。
  4.  　うち死亡件数は前年度比３件減の54件。P３　表１－１
  5. （３）業種別の傾向
  6. ・業種別（大分類）
  7. 請求件数は「運輸業，郵便業」172件、「卸売業，小売業」116件、「サービス業（他に分類されないもの）」111件の順で多い。
  8. 支給決定件数は「運輸業，郵便業」56件、「建設業」30件、「卸売業，小売業」26件の順に多い。P４ 表１－２
  9. ・業種別（中分類）
  10. 請求件数、支給決定件数ともに業種別（大分類）の「運輸業，郵便業」のうち「道路貨物運送業」133件、50件が最多。P５ 表１－２－１、P６ 表１－２－２
  11. （４）職種別の傾向
  12. ・職種別(大分類)
  13. 請求件数は「輸送・機械運転従事者」155件、「サービス職業従事者」130件、「販売従事者」92件の順で多い。
  14. 支給決定件数は「輸送・機械運転従事者」57件、「専門的・技術的職業従事者」27件、「サービス職業従事者」27件の順に多い。P７ 表１－３
  15. ・職種別（中分類）
  16. 請求件数、支給決定件数ともに職種別（大分類）の「輸送・機械運転従事者」のうち「自動車運転従事者」
  17. 144件、57件が最多。P８ 表１－３－１、P９ 表１－３－２
  18. （５）年齢別の傾向
  19. 請求件数は「50～59歳」303件、「60歳以上」283件、「40～49歳」164件の順で多い。
  20. 支給決定件数は「50～59歳」67件、「40～49歳」58件、「60歳以上」49件の順に多い。P10　表１－４
  21. （６）時間外労働時間別（１か月又は２～６か月における１か月平均）の傾向
  22. 支給決定件数は、「評価期間1か月」では「100時間以上～120時間未満」25件が最も多い。
  23. また、「評価期間２～６か月における１か月平均」では「60時間以上～80時間未満」45件が最も多い。P13 表１－６
  ２　精神障害に関する事案の労災補償状況
  1. （１）請求件数は2,683件で前年度比337件の増加。
  2. 　うち未遂を含む自殺の件数は前年度比12件増の183 件。P15　表２－１
  3. （２）支給決定件数は710件で前年度比81件の増加。
  4. 　うち未遂を含む自殺の件数は前年度比12件減の67件。P15　表２－１
  5. （３）業種別の傾向
  6. ・業種別（大分類）
  7. 請求件数は「医療，福祉」624件、「製造業」392件、「卸売業，小売業」383件の順で多い。
  8. 支給決定件数は「医療，福祉」164件、「製造業」104件、「卸売業，小売業」100件の順に多い。P16 表２－２
  9. ・業種別（中分類）
  10. 請求件数、支給決定件数ともに業種別（大分類）の「医療，福祉」のうち
  11. 「社会保険・社会福祉・介護事業」327件、85件が最多。P17 表２－２－１、P18 表２－２－２
  12. （４）職種別の傾向
  13. ・職種別（大分類）
  14. 請求件数は「専門的・技術的職業従事者」699件、「事務従事者」566件、「サービス職業従事者」373件の順で多い。
  15. 支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」175件、「事務従事者」109件、「サービス職業従事者」105件の順に多い。P19 表２－３
      ・職種別（中分類）
  16. 請求件数、支給決定件数ともに職種別（大分類）の「事務従事者」のうち「一般事務従事者」442件、74件が最多。
      P20 表２－３－１、P21 表２－３－２
  17. （５）年齢別の傾向
  18. 請求件数は「40～49歳」779件、「30～39歳」600件、「50～59歳」584件の順で多い。
  19. 支給決定件数は「40～49歳」213件、「20～29歳」183件、「30～39歳」169件の順に多い。P22　表２－４
  20. （６）時間外労働時間別（１か月平均）の傾向
  21. 支給決定件数は「20時間未満」が87件で最も多く、次いで「100時間以上～120時間未満」が45件。P24　表２－６
  22. （７）出来事*別の傾向
  23. 支給決定件数は、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」147件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」89件、「仕事内容・仕事量の（大きな）変化を生じさせる出来事があった」78件の順に多い。P26　表２－８
  24. *「出来事」とは精神障害の発病に関与したと考えられる事象の心理的負荷の強度を評価するために、認定基準において、一定の事象を類型化したもの。
  ３　裁量労働制対象者に関する労災補償状況令和４年度の裁量労働制対象者に関する脳・心臓疾患の支給決定件数は３件で、いずれも専門業務型裁量労働制対象者であった。また、精神障害の支給決定件数は８件で、いずれも専門業務型裁量労働制対象者であった。P27 表３
  
  
  1. ■複数業務要因災害*に関する脳・心臓疾患の決定件数は12件（うち支給決定件数４件）で、精神障害の決定件数は10件（うち支給決定件数２件）であった。
  2. *事業主が同一でない二以上の事業に同時に使用されている労働者について、全ての就業先での業務上の負荷を総合的に評価することにより傷病との間に因果関係が認められる災害。
  • ※詳細は別添資料をご覧ください。

• 別添資料１　脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況［PDF形式：1.3MB］
• 別添資料２　精神障害に関する事案の労災補償状況［PDF形式：1.3MB］
• 別添資料３　裁量労働制対象者に関する労災補償状況［PDF形式：123KB］

出典：厚生労働省 Webサイト
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33879.html