厚生労働省|更新講習(知識講習)で盛り込むべき項目について

更新講習(知識講習)については、時間の経過に伴い内容自体が変化する労働法令や労働市場の実態等を重点に知識のブラッシュアップを図ることを主たる目的とするものであり、この枠組みで、特に資格取得後に改定のあった主な労働法令等の最新知識を修得することが求められます。

知識講習の対象科目は以下のとおりです。
 (1)職業能力の開発(リカレント教育を含む。)の知識
 (2) 企業におけるキャリア形成支援の知識
 (3) 労働市場の知識
 (4) 労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識
 (5) 学校教育制度及びキャリア教育の知識
 (6) メンタルヘルスの知識
 (7) 中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識
 (8) 個人の多様な特性の知識
 (9) その他キャリアコンサルティングを適正に実施するために維持を図ることが必要な知識


厚生労働大臣の指定する知識講習は、上記すべての科目を含む、8時間以上の講習となっており、1つの講習を受講することで、知識講習の受講要件を満たすことが可能な制度設計となっています。
そこで、令和6年度に実施する知識講習で労働法令等の知識として盛り込むべき項目について以下のとおり整理いたしましたので、指定更新講習実施機関及び更新講習の申請を予定している機関の皆様におかれましては、ご確認の上、実施・申請していただきますようお願いいたします。なお、本事項は随時情報更新しておりますので申請時にも改めてご確認いただくようお願いします。

恒常的に知識講習に盛り込むべき事項

キャリアコンサルタント登録制度(職業能力開発促進法)

【対応科目:(1)、(4)】
 職業能力開発促進法は、職業訓練及び職業能力検定の内容の充実強化及びその実施の円滑化のための施策並びに労働者が自ら職業に関する教育訓練又は職業能力検定を受ける機会を確保するための施策等を総合的かつ計画的に講ずることにより、職業に必要な労働者の能力を開発し、及び向上させることを促進し、もって、職業の安定と労働者の地位の向上を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とする法律です。
 平成28年4月にキャリアコンサルタント登録制度が規定されました。

令和6年度に実施する知識講習に盛り込むべき事項

労働関係法令(改正関係)

 以下に掲載されているものは、キャリアコンサルタントにとって特に重要性の高い直近の改正事項ですので、令和6年度に実施する知識講習に盛り込むとともに、それ以降の年度に実施する知識講習においても、引き続き重要性の高いものについては、該当科目の構成内容に反映させるよう努めてください。

<令和6年に改正又は成立した法令>

雇用保険法等の一部を改正する法律

 雇用保険法、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律、特別会計に関する法律、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の令和6年改正
【対応科目:(2)、(4)】
多様な働き方を効果的に支える雇用のセーフティネットの構築、「人への投資」の強化等のため、雇用保険の対象拡大、教育訓練やリ・スキリング支援の充実、育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保等の措置を講じました。
 

<令和5年度に創設された制度>

学び・学び直し促進のための特定支出控除における特例措置の創設

 所得税法(昭和40年法律第33号)及び所得税法施行規則(昭和40年大蔵省令第11号)の規定に基づき、給与所得者が職務の遂行に直接必要な技術又は知識の習得のための研修の受講費用等の特定支出をした場合、その合計額が「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」を超える時は、その超える部分を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができることとされています。
 現行の特定支出控除制度の手続きにおいては、特定支出が職務に関連するものであることについて給与等の支払者により証明を行う必要がありますが、これについて給与所得者が、厚生労働大臣が指定する教育訓練給付指定講座を受講した場合には、給与等の支払者に代わり、国家資格であるキャリアコンサルタントが証明を行うことが認められることとなります。
キャリアコンサルタントによる特定支出控除に係る証明手続について[PDF][407KB]
 

<令和4年に改正又は成立した法令>

労働者協同組合法

【対応科目:(4)】
多様な働き方を実現しつつ、地域の課題に取り組むための選択肢の一つとして、労働者が組合員として出資し、その意見を反映して、自ら従事することを基本原理とする組織である「労働者協同組合」に関する法人制度が開始されました。

雇用保険法等の一部を改正する法律

雇用保険法、雇用保険臨時特例法、職業安定法、職業能力開発促進法、労働徴収法、特別会計法の令和4年改正
 

<令和3年に改正又は成立した法令>

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律(関連リンク(1) (2)

育児・介護休業法、雇用保険法の令和3年改正
【対応科目:(2)、(4)】
 出産・育児等による労働者の離職を防ぎ、希望に応じて男女ともに仕事と育児等を両立できるようにするため、子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設、育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け、育児休業給付に関する所要の規定の整備等の措置を講じました。

 

<令和2年に改正又は成立した法令>

雇用保険法等の一部を改正する法律(関連リンク(1) (2) (3) )

 高年齢者雇用安定法、雇用保険法、労災保険法、労働保険徴収法、労働施策総合推進法、特別会計法の令和2年改正
 【対応科目:(2)、(4)】
  高齢者、複数就業者等に対応したセーフティネットの整備、就業機会の確保等を図るため、65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置の努力義務化、複数就業者の労災保険給付の対象範囲拡充等の見直し、失業者、育児休業者等への給付等を安定的に行うための基盤整備等の措置が講じられました。

 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律

  【対応科目:(4)】
新型コロナウイルス感染症等の影響が最小となるようにするため、新型コロナウイルス感染症等の影響により休業させられた労働者のうち、休業中に賃金を受けることができなかったものに対して新型コロナウイルス感染症対応休業支援金を支給する事業等を行うことができることとするとともに、雇用保険の基本手当の給付日数を延長する雇用保険法の特例措置等が講じられました。

 

<令和元年に改正又は成立した法令>

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律(関連リンク(1) (2) )

女性活躍推進法、労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法の令和元年改正
【対応科目:(4)】
 女性をはじめとする多様な労働者が活躍できる就業環境を整備するため、女性の職業生活における活躍の推進に関する一般事業主行動計画の策定義務の対象拡大、情報公表の強化、パワーハラスメント防止のための事業主の雇用管理上の措置義務等の新設、セクシュアルハラスメント等の防止対策の強化等の措置が講じられました。

障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律

【対応科目:(4)】
 障害者の雇用を一層促進するため、事業主に対する短時間労働以外の労働が困難な状況にある障害者の雇入れ及び継続雇用の支援、国及び地方公共団体における障害者の雇用状況についての的確な把握等に関する措置が講じられました。

 

<平成30年に改正又は成立した法令>

働き方を推進するための関係法律の整備に関する法律

労働基準法、労働安全衛生法、労働時間等設定改善法、パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法の平成30年改正
【対応科目:(2)、(4)】
 労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するため、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態に関わらない公正な待遇の確保等のための措置が講じられました。

 

<平成29年に改正又は成立した法令>

育児・介護休業法の平成29年改正

【対応科目:(2)、(4)】
 原則1歳までである育児休業を6か月延長しても保育所に入れない場合等に限り、更に6か月(2歳まで)の再延長が可能になりました。また、これに合わせ、育児休業給付の支給期間が延長されました。

職業安定法の平成29年改正

【対応科目:(4)】
  職業紹介における求人不受理、職業紹介事業者に関する情報提供、募集情報等提供事業に係る規定の整備、労働契約締結前の労働条件等の明示等による職業紹介の機能強化や求人情報等の適正化の措置が講じられました。

 

<平成27年に改正又は成立した法令>

労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)の平成27年改正

【対応科目:(2)、(4)】
 派遣基事業主は、雇用している派遣労働者のキャリアアップを図るため、段階的かつ体系的な教育訓練及び希望者に対するキャリアコンサルティングを実施することが義務付けられました。

女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)

【対応科目:(2)、(4)】
 女性活躍推進に係る初めての立法であり、自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性の個性と能力が十分に発揮されることが一層重要との考えのもと、女性の職業生活における活躍を推進し、豊かで活力ある社会の実現を図ると定められました。

青少年の雇用の促進等に関する法律(若年雇用促進法)

【対応科目:(2)、(4)】
 若者の雇用の促進等を図り、その能力を有効に発揮出来る環境を整備するため、若者の適職の選択並びに職業能力の開発及び向上に関する措置等を総合的に講ずるものであり、職場情報の積極的な提供、ハローワークにおける求人不受理、ユースエール認定制度等が主な内容となっています。

 

<平成26年に改正又は成立した法令>

労働安全衛生法の平成26年改正

【対応科目:(4)、(6)】
 常時使用する労働者に対して、意思、保健師等による心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)の実施を事業者に義務付け(労働者50人未満の事業場については当分の間努力義務)、検査の結果、一定の要件に該当する労働者から申出があった場合、医師による面接指導を実施することを合わせて事業者に義務付けました。

<その他の支援制度関係>

各制度の最新情報については厚生労働省のホームページでご確認ください
 

人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)

【対応科目:「(1)、(9)】
 事業主等が雇用する労働者に対して職務に関連した専門的な知識及び技能の習得をさせるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成するものです。

キャリアアップ助成金

【対応科目:(1)、(9)】
 「キャリアアップ助成金」は、非正規雇用労働者の方の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化などの取り組みを実施した事業主に対して助成金を支給する制度です。

教育訓練給付制度

【対応科目:(1)、(9)】
 教育訓練給付制度とは、労働者や離職者が、自ら費用を負担して、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講し修了等した場合、本人がその教育訓練施設に支払った経費の一部を支給する雇用保険の給付制度です。



出典:厚生労働省 Webサイト
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000143017.html