法務省|法務大臣閣議後記者会見の概要【令和6年2月20日(火)】

今朝の閣議ですが、法務省案件としては、主意書に対する答弁書が1件ありました。

ウクライナ避難民及びウクライナ汚職対策タスクフォースに関する質疑について

【記者】
 ロシアによるウクライナの侵攻が始まってから(本年)24日で2年となります。現在、日本にはウクライナからの避難者は何人いるのでしょうか。また、補完的保護(対象者)の申請件数や認定件数をお答えください。併せて、ウクライナ復興のためのタスクフォースも立ち上がっていますが、取組の進捗状況をお答えください。

【大臣】
 これまで、我が国では、政府一体となってウクライナ避難民の円滑な受入れと生活支援等を行ってきております。2月14日までに延べ2,593名のウクライナ避難民を受け入れまして、そして2月14日現在で我が国に在住しておられる避難民の方々は2,098名です。一方で、このウクライナ避難民の方だけのための制度ではありませんけれども、ウクライナ避難民の方々に代表される多くの避難民の方々を適確に守らなければいけないという観点から、補完的保護対象者制度が昨年12月から導入されています。(導入から)2か月余り経ったわけでありますけれども、各地の入管に一定数の申請は上がってきておりますし、また、認定に至った事例もあります。この数字(補完的保護対象者の申請者数や認定者数)ですけれども、従来、難民の認定者数とか国籍についてもそうなんですが、数がそんなに多くない中で小刻みに発表しますと、個別の情報と突き合わせをすることによって、個人情報につながってしまうリスクがやはりあるということで、通常年1回、難民認定者数について前年の数字あるいは国籍といったものを公表しております。ですから、補完的保護対象者制度についても、始まって2か月余りになりますけれども、どこか区切りをつけて、大きなくくりの中で対象者の数あるいは国籍を公表していきたいと思っていますけれども、ちょっとまだその時期がいつ頃かということはまだ申し上げられないですけれども、しかるべき時期を選んで数字を精査した上で御報告したいというふうには思っています。
 それから、タスクフォースについてです。G7広島サミットで採択された首脳宣言に基づいて、昨年夏の「G7司法大臣会合」において、具体的なスキームの創設が決定されました。そして、(令和5年)12月に第1回会合を東京で開催したわけであります。そのときには、ウクライナの司法当局者の方々を東京にお招きして、オンライン参加の方々もいらっしゃいましたけれども、実りある議論が行われ、様々な現状課題についても共有が進んだというふうに思います。来月3月5日に、第2回目の会合をオンラインで開催する予定であります。引き続き議論を深めることができればというふうに思います。昨日、「日ウクライナ経済復興推進会議」が東京で行われ、岸田総理も出席されまして、ウクライナの経済復興を進めることが未来への投資であるというふうに述べられましたけれども、その大前提がやっぱり公平に正しく資金が当事者に行き渡る仕組みを担保する。そういう意味でのこの汚職対策のためのタスクフォースの役割というのは、やはり非常に大きなものがあるというふうに感じております。正しく汚職なしに、しかと助けるべき方のところへ資金や投資が届くということを担保する上でも、法務省がしっかりとリーダーシップをとってウクライナ支援、ウクライナ汚職対策支援にしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っています。

永住許可制度の適正化に関する質疑について

【記者】
 入管庁が永住許可制度の見直しを行う方針を固めたという一部報道があります。税金未納などの場合、資格を取り消したり、地方自治体などから通報できる制度を作るとのことですが、その狙いと効果についてお考えをお聞かせください。

【大臣】
 前回も少し御質問がありました。永住許可制度の適正化について、まさに現在どういうことが必要か検討中です。ただ、中身はちょっとまだ未調整部分が非常に多くて、関係者ともまだ十分に擦り合わせできていませんので、中身までは入れないんですが、そもそも共生社会の実現に向けたロードマップ、ここに永住許可後に永住者としての要件を満たさなくなった者への対処の必要性といった課題の記載があり、また、昨年12月14日の自民党の外国人労働者等特別委員会での提言においても、新制度によって永住につながる就労者が大幅に増えることが予想されるため、永住許可の制度の適正化を検討することという提言を頂いています。また、今コメントしましたけれど、そもそもこのロードマップにさかのぼっていきますと、許可後に公的義務を履行しなくなるなど、永住者としての要件を満たさなくなったと思われる事案について、永住許可の取消しを含めて対処できる仕組みを構築すると、かなり具体的に書かれていますので、この機会にしっかり中身を検討した上で関係者とも擦り合わせを行い、具体化に向けて進んでいきたいというふうには思っています。間口を狭めるかのような、そういう印象を受ける方もいらっしゃるかもしれませんけれど、不適切な形でこの永住者を日本が受け入れるということになれば、国民のやっぱり反発とか不安というものは否定できないので、そういう状態が長く続くと永住者そのものに対する排斥、門戸を閉めようという動きにもつながりかねないので、適切な対処はしっかりとやっていった上で、それをベースにして全体としての共生社会を大きく開いていく。そういう考え方で進めることができればなというふうに思っています。

(以上)



出典:法務省 Webサイト
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00488.html