法務省|法務大臣閣議後記者会見の概要【令和6年4月26日(金)】
今朝の閣議ですが、法務省案件として4件の閣議決定がありました。
続いて私から2点御報告させていただきたいと思います。
1点目は今朝の閣議において、法務省案件として、「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の施行状況に関する報告」及び破壊活動防止法に基づく「令和5年団体規制状況の年次報告」が閣議決定されました。
特に、団体規制法に関する報告では、いわゆるオウム真理教に対する8回目の観察処分の期間の更新請求、観察処分の実施状況、被処分団体の組織・活動状況、被処分団体と同一性を有する「Aleph」に対する再発防止処分の決定等について報告いたしました。
公安調査庁において、引き続き、再発防止処分の実効性の確保を図りつつ、観察処分を適正かつ厳格に実施して、被処分団体の活動実態の把握に努めるとともに、公共の安全を確保し、国民の皆様方の不安感の解消・緩和に寄与してまいりたいと考えております。
2点目の報告事項ですが、これは「留学」に係る上陸基準省令の改正です。
一部大学や専門学校の留学生が多数行方不明となる事案が発生したことから、令和元年(2019年)に入管庁と文部科学省において留学生の在籍管理の徹底に関する対応方針を策定いたしました。
その対応方針に基づく措置、及び日本語教育機関認定法の施行を踏まえた措置を講じるために、本日、上陸基準省令を改正して、施行することとなりました。
主な内容ですが、今回の見直しは、主に在留管理の徹底を目的とするものであり、留学生が専ら日本語教育を受けようとする場合、その教育機関が日本語教育機関認定法に基づく文科大臣による認定を受けた日本語教育機関であることを要件とすること、留学生を受け入れる全ての教育機関について、必要な管理体制の整備を要件とすること、などの内容となっております。
法務省としては、引き続き、本制度の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
「留学」に係る上陸基準省令の改正に関する質疑について
【記者】
今お話にあった、留学に係る上陸基準省令の改正について伺いたいと思います。適切な在籍管理として「受入れに必要な管理体制を整備していること」を要件としていますが、これは具体的にどのような管理体制が必要となってくるのでしょうか。
また今回の省令改正は、留学生の受入れを厳しくする措置のようにも見えると思いますが、改めて今回の措置の狙いについて御説明いただければと思います。
【大臣】
「受入れに必要な管理体制を整備していること」の要件については、従来、留学生の在籍管理等に関して、教育機関に受入機関としての一定の責任があるということを法令において明確に規定していなかったことから、今回新たに設けたものです。
具体的な内容としては、教育機関が生徒の出席状況やアルバイト実施状況を適切に把握していること等を想定しております。
既に、留学生の在籍管理については、入管庁・文科省から所要のガイドラインや各種通知が発出されておりまして、各教育機関においては、これらに則って適切に生徒の出席管理等を行ってきていただいているのであれば、今後も同様の対応を行うことで、この要件は充足されるというふうに考えております。
また、省令改正の「狙い」ですが、留学生の在籍管理の徹底を図ることであり、そして留学生を受け入れる全ての教育機関に、十分な受入体制を整備していただこうというものです。
したがって、留学生が入ってくるのを抑制するという狙いでは全くなく、むしろ、しっかりとした適切な受入体制が整備されることによって、留学生の方も安心して日本に来ていただき、日本で学んでいただける体制に近づいていくということですので、中長期的には留学生の安定的な在留や教育機関における留学生の円滑な受入れに資する措置ではないかというふうに考えております。
国内の人口減少の抑制に向けた提言に関する質疑について
【記者】
本日4月26日付けの読売新聞の朝刊に、国内の人口減少の抑制に向けた政策の提言が掲載されました。中には労働力人口が減少する中で、外国人材を重視するべき、といった内容も含まれています。
現在国会では、育成就労制度を創設する出入国管理・難民認定法等の改正案が審議され、外国人材をめぐる議論が本格化しているところですが、読売新聞の提言について、大臣の御所見や評価などがありましたらお聞かせいただけますでしょうか。
【大臣】
大きな報道を読ませていただきました。本来、法務大臣として個々の報道について所感を述べるのは差し控えたいとは思います。
しかし、人口減少を乗り越える方策の一つとして、外国人材の活用は重要だということが述べられており、また、我が国が働き先として魅力ある、選ばれる国になる必要があるというような記述もありました。
技能実習は、申し上げるまでもなく、帰国が前提だったのですが、育成就労は、なるべく長く日本にいてスキルアップしていただき、より長く日本の産業を支えていただきたいのと同時に、外国人の労働者の方も日本で働きがい・生きがいを生み出して、スキルアップする中で幸せになっていただきたい。その両方の意味で共生社会を作っていこうという考え方で、今回の法案を提出させていただいています。
今後も色々な議論を国会も含めて進めていく中で、より国民全体の御理解、国会における議論も深めていただいて、良い方向でこの制度がスタートできればありがたいなというふうに思っております。
(以上)
出典:法務省 Webサイト
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00509.html