法務省|法務大臣閣議後記者会見の概要【令和6年1月9日(火)】
今朝の閣議でありますけれども、法務省案件はありませんでした。
私から、続いて、令和6年能登半島地震について申し上げたいと思います。
元日(1月1日)の夕方、最大震度7の令和6年能登半島地震が発生しました。その後も余震が頻発しております。
まず、今回の地震により、お亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈りするとともに、被災されました方々に心からお見舞いを申し上げます。
法務省では、地震発生後直ちに、「法務省災害情報連絡室」を設置しました。被災状況あるいは被災地の様々な状況、関係機関との連絡調整等、必要な対応を行ってきたところであります。
まず、法務省関係の施設(への被害等)について申し上げますと、現時点までで判明したところでありますけれども、当省職員の人的被害及び業務継続に支障を生じるような重大な物的被害は確認されておりません。また、矯正施設等における収容業務の遂行についても支障は生じていないとの報告を受けております。
また、被災された方々への支援でありますけれども、金沢地方法務局輪島支局が入居している合同庁舎があります。ハローワークや国道事務所などの役所が入っているわけでありますけれども、この庁舎に、自治体等と連携して、これまで最大300名程度の避難者を受け入れ、備蓄していた非常食及び飲料水を提供するなどの対応を行っております。今朝の時点では180名程度の方が避難されているという状況です。
この輪島支局に向けて、名古屋矯正管区の管区機動警備隊員らが、名古屋の刑務所等に備蓄していた職員用非常食約9,700食及び非常用水約1,700リットルを搬送しようということになりまして、1月3日に出発し、翌日(1月4日)午前8時頃までには差し入れることができたという報告を受けております。
また、同じ1月4日ですけれども、石川県の要請に基づいて、金沢刑務所に周辺(の矯正施設)から集約しました職員用非常食約1万7,000食分等を、石川県が設置しました緊急物資集積所に搬送して提供しました。こういった物資の搬送もバックアップとして行っているわけであります。
また、人の派遣も行いました。名古屋矯正管区の管区機動警備隊員等を1日当たり5名、石川県が設置しました緊急物資集積所に派遣しまして、全国から収集した緊急物資の仕分け業務の支援に当たっております。
加えて、これも石川県からの要請に基づくものでありますけれども、輪島市に法務省矯正局特別機動警備隊を50数名程度派遣しまして、まずは行方不明者の捜索活動を行いました。また、支援物資の搬出入、仮設トイレの設置、シャワーブースの設置なども行っております。こういった人の派遣もできる限り進めているところであります。継続していかなければならないというふうに思っております。
そのほかにも、法テラスによる無料法律相談を受けられる体制を法的に整備する、これは政令による地域指定等になりますけれども、その準備を今、速やかに進めているところであります。
まだまだ余震に警戒が必要でありますし、長期戦になるのだろうという覚悟で、我々法務省としても職員一丸となって、できる限りの努力を継続していくと、そういう取組を進めているところです。
本年の抱負に関する質疑について
【記者】
改めて2024年の抱負をお尋ねしたいと思います。今月下旬には通常国会の召集が見込まれます。通常国会に対してどのような姿勢で臨まれますでしょうか。また、今年は相続不動産登記の義務化ですとか、改正入管法の全面的な施行等の施策も予定されているかなと思います。こうした法務省の施策を推し進める上での意気込みもお聞かせください。
【大臣】
まずは、能登半島地震への対応というのが直近の最大の課題ではあります。これにしっかりと取り組みながら、1年を通しての課題あるいは抱負という御質問だと思いますが、去年までやってきた重要事項をやっぱり継続性を持ってしっかり進める、あるいは実現するというのが、まずベースにはあろうかと思うんですね。したがって、昨年をやや振り返る形にはなりますけれども、昨年進めてきた主な項目で思い当たるのは、まず技能実習制度・特定技能制度の在り方に関する検討です。これは報告書が出て、法制化を進める直前まで今、来ています。これをしっかりと成し遂げていくと。法案の形にして国会に提出していくという、まず大きな課題があります。
それから、補完的保護対象者の認定制度も(昨年)12月1日から始まりました。緒に就いたばかりでありますので、これがしっかりと適正に執行できるように、活用していただけるように、これも今年の大きな課題だと思います。
離婚後のこどもの養育の在り方に関する検討も進んできております。これも法案という形を取っていくことが求められていると思いますので、まだ、いつまでにということを申し上げられるところまでは来ていませんけれども、今後煮詰め、議論を集約し、法案にするということにしっかりと取り組んでいきたいと思います。
また、再犯防止に向けた様々な取組も重要な課題でありますが、被害者等の心情等の聴取・伝達制度。これも運用開始しましたけれど、今年我々がどうそれを深められるか、広げられるかということにかかっていると思いますので、それもしっかりやらなければいけないし、また、拘禁刑の導入も迫ってきますから、今年はその直前の準備ということも大きな課題だと思います。
また、ウクライナ汚職対策タスクフォース、これもスタートしました。でも、中身はやっぱり今年だと思います。
去年から今年にまたがって重要案件がたくさん並んでいて、その中に今御指摘がありました相続登記の申請義務化の開始というものも入ってまいりますし、それから、改正入管法の全面施行。今申し上げた部分以外の部分の入管法の全面施行、これも非常に重要なテーマだと思います。非常に大きな重要なテーマが数多くありますので、本当にしっかりと取り組んでいかなければならないと思います。
その中で、もっと包括的に私の感覚を申し上げると、やっぱり法務行政、4か月近く携わらせていただいてきて、法秩序の維持という全体の公益の維持あるいは国民の権利の擁護、全体の公益の確保と、個々の局面、場面における具体的な妥当性、法律を執行した場合に、それがきちっと現場において具体的妥当性を持ち得るかどうか、そこも大事なところです。(今年は辰年のため)龍が昇る昇龍の年と言われていますけれど、龍のように昇っていって、高いところから全体を見渡すその力と、それから龍は天に上がる前に池の中にいるとか、地面の中にいるとか、色々な説がありますけれども、地を這っていると思うんですよね。地上にいるんですよね。多くの時間、龍というのは。だから、足元、現場、具体性。そういったところにもしっかりと配慮ができる法務行政であらねばならないというふうに思っています。いずれにせよ、バランスが非常に重要であって、しっかり今年も皆さん方の御意見も色々頂きながら、(バランスを)取っていきたいというふうに思っております。
技能実習制度の見直しに関する質疑について
【記者】
今、大臣からも触れられましたが、技能実習の見直しに伴う政府の具体案について、もう少し具体的に検討状況についてお話しいただければと思います。
【大臣】
御承知のように、昨年11月に有識者会議からの最終報告がありました。12月14日には自民党の外国人労働者等特別委員会から提言がありました。12月21日には公明党の外国人材の受入れ対策本部から、同じく提言の提出を受け、内容の説明も受けました。
これだけではなくて、様々な国民的議論の中で意見を頂いておりますが、こうした大所の、主要と言ってもいいかもしれませんが、そういったところの提言も出揃いましたので、法制化に向けて本当に鋭意進めているところです。ちょっと具体的なところまでは入りませんけれども、いくつか論点がありまして、それについて意見の集約を図ろうということで、今作業をしているところであります。そう遠からず結論が得られれば良いなという期待をし、事務方にお願いしているところであります。鋭意、法案の策定に取り組んでいるというふうに御理解いただければ良いかと思います。
(以上)
出典:法務省 Webサイト
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00476.html
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