法務省|法務大臣閣議後記者会見の概要

令和5年4月14日(金)

 今朝の閣議において、法務省案件はありませんでした。
 続いて、私から2件報告があります。
 1件目は、高度外国人材受入れに係る新制度についてです。本年2月に公表しました高度外国人材受入れに係る2つの新制度について、本日、法務省令と告示を官報掲載することとなりましたので、御報告申し上げます。運用開始はいずれも4月21日となります。改めて、この2つの新制度について申し上げると、1つ目は、高度外国人材の中でもトップレベルの能力がある者の受入れを促進することを目的とした「特別高度人材制度」、通称J-Skip(ジェイ・スキップ)です。これは、これまでのポイント制とは別途、学歴又は職歴と、年収が一定の水準以上であれば「高度専門職」の在留資格を付与し、現行よりも拡充した優遇措置を認めることとするものです。2つ目は、将来有為な人材としての活躍が期待されるポテンシャルの高い若者を早期に呼び込むことを目的とした「未来創造人材制度」、通称J-Find(ジェイ・ファインド)です。これは、優秀な海外大学の卒業生に対して、我が国において最長2年間の就職活動や起業準備活動ができるようにするものであります。
 法務省としては、経済産業省などの関係省庁と共に、この2つの新制度の周知を行い、更に高度外国人材の受入れが促進されるように努めてまいります。
 2件目は、外国人に対する総合的な支援をコーディネートする人材の役割等に関する検討会についてです。出入国在留管理庁においては、「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」に基づき、令和4年10月から、外国人に対する総合的な支援をコーディネートする人材の役割、能力、育成等について検討することを目的として、有識者にも複数参加していただいている「総合的な支援をコーディネートする人材の役割等に関する検討会」を開催してきました。本日、この検討会において取りまとめられた検討結果報告書を公表することといたしました。この検討会の議論では、外国人が適切な相談窓口や生活上必要な情報にたどり着くことができないという問題が依然としてある、また、外国人の相談対応支援の専門性や職種の特徴が社会的に認知・理解されていないことにより、専門性に見合う評価等を受けることができない状況がある、こういった課題が挙げられました。報告書では、こうした課題を踏まえ、生活上の困りごとを抱える外国人を適切な支援につなげることのできる人材、すなわちコーディネーターの役割、能力、育成等の在り方について示すとともに、専門性の高い支援人材の認証制度の在り方等の検討など、令和5年度以降に取り組むべき事項も示しました。今後は、この報告書等に基づき、コーディネーターの育成・認証制度の創設に向けて着実に検討を進め、外国人の受入れ環境整備の取組を推進してまいります。

訴訟係属中の証拠映像が公開されたことに関する質疑について

【記者】
 名古屋事案の映像公開に関する大臣の御発言について2点お尋ねします。昨日衆院本会議で入管難民法改正案が審議入りしましたが、審議入りに当たっては先週7日の記者会見で、映像公開について大臣がおっしゃった、原告側が勝手に編集して公開したものとの発言に関して批判が強まっています。その後の11日の記者会見や法務委員会の答弁でも、事実関係を述べたものだというふうにおっしゃっているかと思うんですけれども、改めてこの発言の趣旨と、撤回される意思がないかどうかをお聞かせください。また、ちょっと細かい確認になって恐縮なんですけれども、7日の記者会見で映像公開について述べられた際に、「皆さんにも考えていただきたい」という御発言をされたと思うんですが、これは提供を受けた映像を放送している報道機関に対しておっしゃったものなのか、それとも国民全体で考える機会としてほしいという趣旨なのか、どちらかお聞かせください。

【大臣】
 まず発言に関してですけれど、前回私が申し上げたことを正確にお聞きいただきたいと思うんですけど、「御指摘のビデオ映像は国が証拠として提出をし、これから裁判所において取り調べるということになっている、約5時間分のビデオ映像の一部を原告側が勝手に編集をしてマスコミに提供して公開したものである。」これはまさに事実関係でありますので、御質問があったことで、まずこの事実関係を正確に皆さんに知っていただきたいということです。ただ、その後のことの方が重要なんですけれど、係争中の話でありますので、私は所感を述べない。所感を述べないということは、いいとも悪いとも言わないということでありますので、素直に受け止めていただきたいなというふうに思っています。後段の話でありますが、御質問をいただいて、私がコメントしないと申し上げたので、記者の皆さんには、影響の大きい話でもあるので、お考えいただければありがたいなということを述べたわけであります。

【記者】
 今の関連なんですけれども、報道機関の記者に対してということですね。

【大臣】
 そうです。御質問を受けたので、私はコメントしないけれど、考えていただければありがたいなと。御質問をいただいたので。

入管法成立に向けた意気込みに関する質疑について

【記者】
 昨日入管法が審議入りしました。成立に向けての意気込みと、昨日審議入りに際してウィシュマさんの御遺族が国会で傍聴されていたと思うんですが、どう受け止められたか伺います。

【大臣】
 ウィシュマさんの件に関しては、傍聴席に遺影を持たれていたので、改めて厳粛な気分になりましたし、本当に二度とこういうことを繰り返してはならないということを、改めて、胸に刻ませていただいたということであります。そういう意味でいうと、今度の入管法改正というのは、私は長期収容をできるだけ回避する、それから、保護すべき方はきちんと保護するという意味で大いに前進をしている法案だと思っておりますので、丁寧な説明をしますので、多くの国会議員の方に御理解をいただいて、1日も早い法の成立を期して努力していきたいと思っています。

(以上)



出典:法務省 Webサイト
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00406.html

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