法務省|法務大臣閣議後記者会見の概要【令和5年6月9日(金)】

令和5年6月9日(金)

 今朝の閣議において、4件の法務省案件が閣議決定されました。
 続いて、私から2件報告があります。
 1件目について、本日、岸田総理出席の下で、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議が開催されました。
 関係閣僚会議におきましては、大きく二つの事項について了承がなされました。
 まず、特定技能制度において熟練した技能が求められる「特定技能2号」の対象分野について、相当程度の知識・経験が求められる「特定技能1号」の12の対象分野のうち「介護」以外の11分野とするものです。
 この点については、今朝の閣議において閣議決定もなされているところです。
 次に、「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」を一部変更するとともに、「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」を改訂するものです。
 ロードマップは、我が国の目指すべき外国人との共生社会の三つのビジョン、その実現に向けて、中長期的に取り組むべき四つの重点事項及び具体的施策等を示すものとして、昨年6月に策定したもので、今回、新規施策の追加のほか、有識者意見等を踏まえた工程表の見直しなどを行っています。
 今般改訂した総合的対応策には、このロードマップの見直しも踏まえて、単年度に取り組む施策のほか、共生社会の実現のために必要な施策が盛り込まれています。
 そして、この総合的対応策には、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に係る検討に関する施策も盛り込まれております。
 我が国が魅力ある働き先として選ばれる国となるよう、現行の技能実習制度を実態に即して発展的に解消し、人材確保と人材育成を目的とした新たな制度を創設することなどを記載しています。
 法務省としては、外国人材の受入れ環境整備に関する総合調整を行うための司令塔的機能を発揮しながら、関係省庁と連携して外国人との共生社会の実現に向けた取組を着実に進めてまいります。
 2件目は、所有者不明土地等対策の推進に関する基本方針の改訂についてです。
 本月6日(火)、「所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議」が持ち回りで開催され、関係省庁の取組状況を踏まえ、「所有者不明土地等対策の推進に関する基本方針」と主要施策の工程表が改訂されました。
 法務省からの報告事項としては、法務局の地図作成事業の推進、相続登記の申請義務化の施行に向けた準備状況、区分所有法制の見直しに向けた検討状況の3点がございました。
 なお、区分所有法制の見直しについては、昨日、法制審議会区分所有法制部会において、建替え要件緩和などの中間試案が取りまとめられています。
 法務省としては、所有者不明土地等に係る諸課題について、引き続き、関係省庁と緊密に連携し、必要な取組をしっかりと進めてまいります。
 また、来年4月から始まる相続登記の申請義務化については、本年7月を、法務省・法務局の「広報強化月間」と題して、地方自治体や関係団体等と連携して全国的かつ大規模な周知、広報を行うことを予定しています。
 今後とも、国民各層に行き渡るきめ細やかな情報発信に、一層力を尽くしていきたいと思っています。

入管法改正法案に関する質疑について

【記者】
 昨日の参院法務委員会で、入管難民法改正案が採決・可決されました。難民認定の手続についてなど、なお批判の声もありますけれども、それを踏まえて、大臣の所見をお伺いします。

【大臣】
 まず、本法案につきましては、昨日、参議院法務委員会において賛成多数で可決していただいたところでありまして、まだ手続は終わっておりませんので、政府として引き続き成立に向けて努力していきたいと思っています。
 私は、社会経済のボーダーレス化が急速に進む時代の流れの中で、世界におけるすう勢と同様に、外国人と共に生きていく共生社会の実現というものは、我が国でも求められているものでありまして、そのためには、日本人と外国人が互いを尊重し合うことが前提になるのではないかと思っています。
 我が国にいる多くの外国人の方々は、ルールを守っている中にありまして、その中で、ルールを守っていない方々が増え続け、それを放置した状態とすれば、ひいては、外国人全体へのいわれない不信感を抱かせることにもつながりかねないということでありますので、共生社会の実現の障害となりかねないと。
 本法案による諸施策の実現は、そういった意味では、外国人の人権尊重と国民の安全・安心とのバランスがとれた共生社会の実現・維持の基盤を整備するものでありまして、ルールにのっとった適正な外国人の受入れ実現にも資するということですので、私は大変重要な法案だと思っています。
 法案の内容及び必要性について、広く国民の皆様に御理解いただけるよう説明を尽くしてきておりますけれども、引き続き努力していきたいと考えています。

【記者】
 国会の審議で、迅速な処理が可能かつ相当な事件が臨時班で処理されているというのが何度か出ましたけれども、改正法が成立した暁にはこうした案件というものは相当数減っていくという理解でよろしいでしょうか。

【大臣】
 まだやってみないと分からないところは当然、どういう申請状態になるかというのはなかなか申し上げにくい状態だろうと思っていますが、法改正ができても、やはりそういう案件は残るのではないかというふうに思っていますので、一つ一つ丁寧に判断していきたいということに尽きると思います。

【記者】
 それを解消する目的もあるという理解で良いですかね。

【大臣】
 そうですね。同じような案件を繰り返して申請されるケースも当然ありますので、そういう意味では改善を図れるのではないかと思っています。

【記者】
 昨日の法務委員会の答弁で、大臣から、こどもとその家族の在特の関係ですけれども、一人でも多く新しいルールで救っていきたいとおっしゃいました。この新しいルールというのは、新ガイドラインのことなのか、それとも補完的保護対象者とかそういうのを念頭に置いているのか。ただ、施行前までに結論を出すというお話でしたので、そことの関係についてもお話しいただければと思います。

【大臣】
 国会でも何度か答弁させていただいていますけれども、お子さんについて、私自身、何とかしてあげたいという思いが強くありますので、前進を図っていきたいという強い気持ちを持っているわけでありますが、ただ、色々なケースがありますので、それを精査した上で、どういうふうなルールに基づいてこの問題を判断するのが良いかということに、そういう順番になってくると思いますので、その精査がまだ十分できていないということですので、その後のルールがどうなるかについては、まだ今の段階でコメントをすることはできないですけれど、できるだけ早いタイミングで結論を出していきたいというふうに思っています。

「特定技能2号」の対象分野の追加に関する質疑について

【記者】
 「特定技能2号」の対象拡大ですけれども、熟練の外国人材の日本への定着を促すという施策かと思われますが、大臣の所感について改めてお願いします。

【大臣】
 「特定技能2号」の対象分野の追加は、今日、閣議で了承されましたが、まず、人材確保が困難な状況にある分野における、熟練労働者の確保に資するというふうに期待しているところです。
 「特定技能2号」につきましては、「技能検定1級」と同等水準とされる試験が課されるということになっていますので、今後、分野所管省庁におきまして、入管庁が定めた試験方針に基づいて、試験問題の作成等、試験実施に向けた準備が進められて、順次試験を開始すると、そういう段取りになっていくのだろうと思っていますので、ここは前進が図られるけれども、色々な試験などの条件があるということです。

大阪入管局の常勤医師等に関する質疑について

【記者】
 酒酔い医師ですね、大臣が2月下旬に知っていたのにやはり隠していたのではないかというところが相変わらず。

【大臣】
 大阪(入管局の件)ですね。

【記者】
 はい、大阪(入管局の件)です。女性医師が、今、調査を拒否しているとはいえ、発表しなければならない案件だと思います。大臣として発表する気があるのか、それから、今回、法案が昨日可決されたことで、闘ってきた支援団体と一緒にやってきたロヒンギャの方は、ショックで自殺するのではないかということで、今、付き添いの方が付いているぐらい、法案で四千数百人が対象とされてしまうことで、怯えているこどもたち、親御さんたちが出ていると。そういった人たちに、大臣としてどういう言葉をかけたいのか。難民参与員制度、色々な問題がクローズアップされました。第一次審査も入管庁の職員しかいなくて、立会弁護人や録音・録画も認めてない。第一次審査でさえ問題が多々あると言われています。こういったことを、法案が通っても大臣が見直していくというつもりであるか、ここもお聞かせ願えますか。

【大臣】
 まず、大阪(入管局)の件につきましては、これも何回も御紹介させていただいていますが、本件は、訴訟になる可能性があるということでありますので、この事実関係の確認というのは、我々が当事者になりますので、慎重な上にも慎重に判断をしていかなければならないということでありますが、ある程度確信が持てる段階になりましたら、それは公表は考えていきたいと当然思っているところです。我々が当事者であるというところを御理解いただきたいというふうに思っています。
 それから、二つ目につきましては、これで一刀両断に決めるわけではなくて、前にも申し上げておりますように、色々な在留特別許可の話もありますので、そういうことは一件一件判断を積み重ねていくということになっていますので、そこは御理解をいただきたいというふうに思っています。
 それから、審査の過程です。難民の審査の過程におきましては、様々な御意見があることはもちろん承知しているわけですけれども、これもたくさん答弁をさせていただいたわけですが、皆さん、柳瀬さんのことを出します。柳瀬さん以外の方も、なかなか(難民を)拾うことができないという御発言をしており、裁判の結果もそれを裏付けるような傾向が出ているということでありますので、私は、慎重にやっていかなければならないし、常に自分の判断、役所の判断は間違いがないかどうかというものは胸に手を当てながらしっかりやっていかなければならないと思っていますが、今、その制度を変えなければならないというふうには思っていないということです。

同性婚をめぐる訴訟に関する質疑について

【記者】
 昨日も判決が出された同性婚をめぐる集団訴訟についてお伺いします。全国5か所で行われた集団訴訟のうち、四つで違憲状態、憲法違反という結果が出ました。これについて、立法措置を国に促す形となっていると思いますが、法制審議会の諮問も含めて、大臣のお考えをお伺いします。

【大臣】
 (昨日判決が出された)福岡(地裁)のケースですね。本件は、同性のパートナーとの婚姻を希望する原告らが、日本で同性同士の婚姻が認められていないのは憲法に反するとして、国に損害賠償を求めた事案であるというふうに認識しています。
 お尋ねの判決においては、原告らの国に対する請求は棄却されていますが、その理由中において、民法及び戸籍法の婚姻に関する規定は、同性カップルに婚姻制度の利用によって得られる利益を一切認めていない点において、憲法24条2項に違反する状態にある旨の判断が示されたというふうに承知しています。
 国が勝訴しているので控訴することができないですけれども、現段階では確定前の判決でもありますし、また、他の裁判所に同種訴訟が係属しているということもありますので、そういったものも注視していくというのが、今の段階の私の考えです。

(以上)



出典:法務省 Webサイト
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00419.html