経済産業省|ルール形成型の市場創出に取り組む企業を公表します

市場形成力指標に基づいた調査結果及び具体的な取組事例の紹介

経済産業省では、企業がルール形成に取り組み、新しい市場を創出するといった「ルール形成型の市場創出」を後押ししています。
ルール形成に取り組む企業の現状を把握するため、2021年度から2023年度に3回、「市場形成力指標」に基づいた調査を実施しました。調査において、市場形成力指標のスコアが安定的に高い企業と、具体的な取組事例を紹介します。

1.調査概要

昨今のマーケットでは、規制、標準、業界基準等のルールを自らリード・形成し、市場を創出することが有効です。ルール形成を通じて新たな市場を創出する力を「市場形成力」と定義し、それを可視化する「市場形成力指標」を2021年に開発、2022年3月には「市場形成力指標Ver2.0(企業版、プロジェクト版)」を公表しました。(市場形成力指標の詳細はこちらをご参照ください。)

2021年度から2023年度には、ルール形成に取り組む企業の現状を把握するため、「社会課題解決型の企業活動に関する意識調査」を実施しました。この中では、「市場形成力指標Ver2.0(企業版)」に基づいて、各社の取組を自己申告形式で記載いただくアンケートを実施しています。

 2021年度調査2022年度調査2023年度調査
調査名社会課題解決型の企業活動に関する意識調査
実施期間2021/11/15から12/202022/11/25から12/282023/11/8から12/13
対象企業数10,000社
(調査開始前月時点での日本国内上場企業及び従業員数50人以上の非上場企業)
回答企業数1,045社
(うち上場企業565社)
1,243社
(うち上場企業613社)
1,302社
(うち上場企業595社)

(調査委託先)株式会社日経リサーチ

2.市場形成力指標が高い企業(10社、社名50音順)

調査の結果、市場形成力指標のスコアが安定的に高い企業のうち、ルール形成による市場創出の取組が確認できた企業を公表します。
併せて、確認できた取組の概要と、該当する成功パターン注1を紹介します。

注1:市場形成力指標において、ルール形成による市場創出の成功パターンを、以下の3つに分類しています。

  • 成功パターン(1):政策形成や規制デザインのリード
  • 成功パターン(2):標準化によるイノベーション連携の促進
  • 成功パターン(3):業界コンセンサス形成による新たな「モノサシ」開発
企業名取組事例成功パターン
IDEC株式会社自社で開発したスイッチに関する国際標準策定と、それを組み込むロボットやそのシステムの規格改定により、自社優位の国際市場を創出(2)
インフロニア・ホールディングス株式会社PFI法への公共施設等運営権の導入に向けた協議に参加し、ルールが未整備だったコンセッション事業の法制度化により国内市場を創出
(※ホールディングス体制発足前の前田建設工業株式会社の取組)
(1)
川崎重工業株式会社技術開発段階からの国際標準化によって他国製品との差別化を図り、日本優位の水素サプライチェーン関連機器市場を創出(2)
コニカミノルタ株式会社ドローン等の機器の使用が制限される「危険区域」の範囲外の検討に貢献し、屋外貯蔵タンク周囲でスマート保安を活用する市場を創出(1)
株式会社小松製作所建設現場の生産性向上を図る政府の取組で、ドローン測量やICT建機用工法等の基準整備に貢献し、施工全体でICTを全面活用するソリューション市場を創出(1)
塩野義製薬株式会社官公庁の調査事業等に従事し、ルールの策定を推進して、欧米と比べて社会実装が遅れていた下水疫学調査の国内市場を創出(1)
積水化学工業株式会社管路更生工法のJISや標準類の制定において、自社が共同開発したSPR工法も準拠するよう位置づけ、公的な認知を獲得して当該工法の市場を創出(2)
ダイキン工業株式会社インドなどにおいて安全規制の改正と省エネ法の基準強化を働きかけ、省エネ基準値が競争指標となるエアコンの市場を創出(1)
ヤマハ株式会社音響機器業界における影響力を活かしたコンソーシアム設立と共通規格の策定により、新たな技術SoundUDの市場を創出(3)
ユニ・チャーム株式会社欧米で主流の種類のみを想定し、国内で展開される多様な製品に対応していなかった尿吸収補助具の国際標準を改正、海外市場を創出(2)

3.各成功パターンにおける取組事例の紹介

企業や投資家等のステークホルダーに、市場形成力指標に対する理解を深めていただき、取組の参考としていただくために、3社の取組事例を紹介いたします。市場形成力指標の各成功パターンにおけるルール形成取組事例

  • 成功パターン(1)  ダイキン工業株式会社
  • 成功パターン(2) 積水化学工業株式会社
  • 成功パターン(3) ヤマハ株式会社

(事例シート作成委託先)株式会社オウルズコンサルティンググループ

4.今後に向けて

引き続き市場形成力指標に基づく調査を行いながら、指標の理解促進を図るとともに、更なる指標の改善を実施していくことで、ルール形成型の市場創出の取組を後押ししてまいります。

担当

産業技術環境局 基準認証政策課長 渡辺
担当者:山口、三溝
電話:03-3501-1511(内線 3413~3415)
メール:bzl-rulemaking-support★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。



出典:経済産業省 Webサイト
https://www.meti.go.jp/press/2024/04/20240417003/20240417003.html

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